台北一人旅4 ~台湾総督府見学~
今回の旅行のメインイベント、台湾総督府の見学にやってきました。
最近、平日の午前中を一般向けに開放しているとのことで、
早速行ってきました。
今回、台北を訪れるのは3回目だったのですが、初めて来ました。友達とくると、なかなか自分の趣味趣向に凝り固まった意見は言いづらいですよね。
父に聞いたところ、昔は観光名所の一つだったようですが、日本の台湾統治時代があることも知らないような昨今の若者は、行ってもつまらないのかもしれません。
千と千尋以降、九份にその人気を奪われてしまったようでもあります。
私は世界史オタなので、いつか行ってみたいという念願が叶い、うれしい限りでした。
やっぱり一人旅は最高。。
どーん
とそびえる台湾総督府は、なぜか旗で飾られました。
中央の縦字をよく読むと、
慶
視
中
華
民
國
開
國
一
〇
六
年
と書かれていました。
へ~開国106年か~じゃあ2016-106=1910年に何があったんだろう。
と思い、調べたところ、1月1日が中華民国国慶節らしく、
1911年の中華民国成立(辛亥革命が発端)を祝ったものだったみたいです。
台湾独立の歴史は、日本の統治から解放された1945年以降に始まったように感じていたので(中華民国はあくまで中国の歴史の一部)台湾の人々が、1911年に思いを馳せるというのは、私にとって意外な事でした。
まだまだ、世界にはわからないことがたくさんありますね~。
この赤と白の綺麗なレンガ造り、なんで私は好きなんだろう、、と思い考えてみたところ、わかりました。
わが母校の慶應三田キャンパスのモダニズム建築に似ている、、!!
ほら、似てません?
この建物は最近できたらしいですが、
三田キャンパスの象徴である赤煉瓦の建物は、
明治~昭和のモダニズム建築の主流だったのです。
横浜の赤レンガ倉庫も、その時代の建築ですね。
おしゃれでかっこよくて、異国情緒があって、西欧列強に追いつこうと頑張った当時の日本人の気概が感じられて、この赤煉瓦建築というのは、私は大好きなのであります。
…話がそれましたが、台湾総督府は、旧大日本帝国が建築した建物で、第二次世界大戦の空襲で焼けてしまった部分を修復し、現在も台湾政府が使っています。
したがい、解放されているとはいえ、中に入るためのチェックは厳重でした。
パスポートと荷物チェックを終えると、日本語ツアーが始まるということで、
中に通されました。
このガイドさん、名前は忘れましたが、御年85歳とおっしゃっていました。
元気で日本語ペラペラ、1945年の5月の空襲は本当に怖かった、と、ご自身の戦争体験をお話されていました。ここに来てくれる人にたくさん話していかないと、とも。
やはり使命感のある人の瞳は、年齢に関係なく力がみなぎっていますね。
日本の統治下でアメリカの爆撃にさらされた(おそらく14歳くらいだったはず)青年は、その時何を思ったのだろう、と思うと、胸が熱くなりました。
総督府は、上から見ると「日」の字になっています。
こういう建物をそのまま使っちゃうあたり、大らかですよね。
反日感情が少ないから、まあいっか!頑丈だし綺麗だし、そのまま使っちゃお!
ってな感じで使い始めたのかな~と思うと、温かい気持ちになりました。
他にも、先史時代の台湾の事や、日本統治時代の写真など、興味深い展示物もたくさんありました。
台北に行く機会がある方は、ぜひ行ってほしい場所です。